西日本のある郷土資料館に、数十年前に個人から寄贈された市松人形が保管されている。展示ケースの移動や清掃を担当した職員が、その作業の後に決まって高熱を出すという話が館内でひそかに語られてきた。
これまでに人形の移動作業に関わった職員は三人いるが、いずれも作業の翌週に体調を崩し、長期の休養を取ったという共通点がある。資料館側は「単なる偶然」としているが、現在この人形は展示リストから外され、収蔵庫の奥で保管されているそうだ。
人形の出所や寄贈者の詳細は資料館の記録にも残っておらず、来歴は不明のままとなっている。